中国文明は非常に長い歴史を持っており、古代から現代までさまざまな時代があります。以下に、中国文明の主要な時代を古い順に簡潔に説明します。
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- 先史時代:
- 黄河文明: 紀元前2070年頃から紀元前1600年頃までの夏王朝や殷(商)王朝が栄えました。
- 長江文明: 紀元前7000年頃から紀元前5000年頃までの彭頭山文化などがあり、稲作が中心でした。
- 春秋戦国時代:
- 紀元前770年から紀元前403年までの時代で、多くの諸侯国が争い、思想家や哲学者が活躍しました。
- 秦漢帝国:
- 紀元前221年から紀元前207年までの秦王朝が中国を統一し、始皇帝が万里の長城を建設しました。
- 三国時代:
- 紀元220年から280年までの時代で、魏・呉・蜀の三国が争いました。
- 隋唐帝国:
- 隋(581年-618年)と唐(618年-907年)の時代は、中国文化が繁栄し、詩人や発明家が活躍しました。
- 宋元明清帝国:
- 宋(960年-1279年)、元(1271年-1368年)、明(1368年-1644年)、清(1616年-1912年)の時代は、中国の帝国が栄えました。
- 中華民国と中華人民共和国:
- 1912年に中華民国が建国され、1949年に中華人民共和国が成立しました。
中国文明の哲学者
孔子(こうし)
中国の春秋時代後期の学者・思想家で、儒家の祖とされています。
- 「止まりさえしなければ、どんなにゆっくりでも進めばよい。」
- 「過ちて改めざる、これを過ちという。」(過ちを犯しても改めないことこそが本当の過ちである)
- 「良心に照らして少しもやましいところがなければ、何を悩むことがあろうか。何を恐れることがあろうか。」
- 「その人を知らざれば、その友を見よ。」
- 「好きなことを仕事にすれば、一生働かなくてすむ。」
- 「自分自身に対する誠実さと他人に対する優しさ、すべてはこの二つに包括される。」
- 「人の本性はみなほとんど同じである。違いが生じるのはそれぞれの習慣によってである。」
- 「何事も楽しんでやりなさい。楽しんでやることで、思わぬ力が発揮されるものなのだ。」
- 「人間は逆境において人間の真価を試される。人生の達人は逆境を楽しみ、順境もまた楽しむのです。」
- 「成功者は必ず、その人なりの哲学をもっているものだ。その哲学がしっかりしているからこそ、成功者の人生は揺るがないのだ。」
老子(ろうし)
中国の春秋時代後期の学者・思想家で、儒家の祖とされています。
- 「足るを知る。」 これは、「自分の持っているもので満足することを知る」という意味です。物質的な豊かさよりも、心の充足を大切にする考え方を表しています。
- 「ものごとをまだ種のうちに見抜けるなら、それを天才という。」 事象やアイデアが発展する前に、その可能性を見抜く能力を天才と称える言葉です。先見の明があることの価値を説いています。
- 「功成り名遂げて身退くは天の道なり。」 成功し、名声を得た後に、控えめに退くことは自然の摂理にかなっているという意味です。謙虚さと時宜をわきまえる重要性を教えています。
- 「天は万物を生みて所有せず、育ててこれを支配せず。」 自然や宇宙は、すべてのものを生み出しながらも、それを所有したり支配したりしないという考え方です。無私無欲の精神を表しています。
- 「ただ自分自身であることに満足し、比較したり競争することがないのであれば、すべての人が君を尊敬するだろう。」 自己比較や競争をせず、自分自身であることに満足することの大切さを説いています。そうすることで他人からの尊敬を得られると言っています。
- 「魚を与えれば、一日食べていける。 魚の取りかたを教えれば、一生食べていける。」 他人に依存するのではなく、自立して生きる方法を学ぶことの重要性を説いています。知識とスキルが長期的な自立につながるという意味です。
- 「現実を現実として、あるがままに受け入れなさい。 物事をそれが進みたいように、自然に前に流れさせてやりなさい。」 現実を受け入れ、物事を無理にコントロールしようとせず、自然の流れに任せることの智慧を説いています。
- 「本当の親切とは、親切にするなどとは考えもせずに行われるものだ。」 無意識のうちに行われる親切こそが、真の親切であるという考えを示しています。計算された親切ではなく、心からの親切を大切にするべきだと教えています。
- 「賢者は人の上に立たんと欲すれば、人の下に身を置き、人の前に立たんと欲すれば、人の後ろに身を置く。」 真のリーダーシップは、他人を支配することではなく、彼らをサポートし、導くことにあるというメッセージです。謙虚さと奉仕の精神を持つことが賢者の特徴です。
- 「誰かを深く愛せば、強さが生まれる。 誰かに深く愛されれば、勇気が生まれる。」 愛は人を強くし、勇気を与えるというメッセージです。愛することと愛されることの両方が、人間の精神的な成長に不可欠であると説いています。
孟子(もうし)
中国の戦国時代の儒学者で、思想家として知られています。彼の名言は深い洞察と人間性についての考えを示しています。
- 「力をもって人を服するのは、心から服するにあらず。徳をもって人を服するは、喜んで真に服するものなり」力による支配は人々の心を得ることができませんが、徳による支配は人々が心から従うことを意味します。
- 「天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ずその心志を苦しめ、その筋骨を労せしめ、その体膚を餓えしめ、その身を空乏にし、おこなうこと、そのなさんとする所に払乱せしむ。」 天が人に大きな使命を与える際には、その人を試練に通じて鍛えることを意味します。
- 「千万人と雖も吾往かん。」 正しいと信じる道を、たとえ多くの人が反対しても、恐れずに進むべきだという意味です。
- 「地を易うれば皆然り。」人の行動や言動の違いは、その立場によるものであり、立場が変われば同じになるという意味です。
- 「敵国外患無き者は国恒に亡ぶ。」 敵もなく平和な国は、国民が緊張感を失い、最終的には滅びるという意味です。
- 「善を責むるは朋友の道なり。」 友人としては、善行を勧めることが重要であるという意味です。
- 「大人は赤子の心を失わず。」 高い徳を持つ人は、純粋な心を常に保つべきだという意味です。
- 「至誠にして動かさざる者は、未だ之あらざるなり。」 誠実さをもって人に接すれば、心を動かされない人はいないという意味です。
- 「水の低きに就く如し。」 自然の流れは止めることができないという意味です。
- 「天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず。」 天が与える好機は地理的な利点には及ばず、地理的な利点も人々の心の一致には及ばないという意味です。
荘子(そうし)
中国戦国時代の思想家で、道教の始祖の一人とされています。彼の思想は無為自然を基本とし、人為を忌み嫌うものです
- 「道は通じて、一たり。」 - すべての道は互いに繋がっており、最終的には一つの真理に至るという考えを表しています。多様性の中に統一性を見出すことの重要性を強調しています。
- 「おくらず、むかえず、応じて、しかしておさめず。」 - 物事に対して積極的に介入せず、自然の流れに任せて対応することで、結果を得るという姿勢を示しています。
- 「利を見てしこうして、その真を忘る。」 - 利益や目先の成果にとらわれて、本来の目的や真実を見失うことの警告です。
- 「水の積むこと厚からざれば、則ち、大舟を負うに力なし。」 - 深い知識や経験がなければ、大きな責任や役割を果たすことはできないという意味です。
- 「和して唱えず。」 - 調和は静かに保たれるべきであり、それを声高に主張する必要はないという考えを表しています。
- 「無用の用(むようのよう)。」 - 一見無用に思えるものにも、実は価値があるという意味です。何事も捨て去るべきではないという教えです。
- 「鷦鷯森林に巣くうも一枝に過ぎず。偃鼠河に飲むも、満腹に過ぎず。」 - 自然界の生き物は必要以上に消費せず、必要な分だけを取るという自然の法則を示しています。
- 「死を視ること生のごとし。」 - 死を恐れずに受け入れ、生きることと同じように自然なものとして扱うべきだという考えを示しています。
- 「憂あれば、則ち救われず。」 - 悩みや心配事があるとき、それに囚われてしまうと解決に至らないという意味です。
- 「内直くして、外曲がる。」 - 内面は正直であるべきだが、外面は状況に応じて柔軟に対応することの大切さを説いています。
墨子(ぼくし)
中国戦国時代に活動した思想家で、墨家(諸子百家)の開祖とされています。
- 「倉庫に武器の蓄えが無ければ、仮にこちらに正義があったとしても、不義を討つことはできない。城郭の備えが万全でなければ、守り切ることはできない。心に警戒を怠ったのでは、急場の事態に対処することはできない。」
- 意味: 武器や城の備えが不十分な場合、正義を行っても不義を討つことはできない。また、警戒心を怠ると危機に対処できなくなる。
- 背景: この言葉は、戦国時代の軍事的な視点から、準備と警戒の重要性を強調しています。
- 「人は自分の長所によって身を滅ぼすことが多い。」
- 意味: 人々は自分の得意なことに頼りすぎることで、逆に問題を引き起こすことがある。バランスを保つことが重要。
- 背景: この言葉は、過度な自信や偏りが問題を引き起こすことを警告しています。
- 「強弓は引き絞るのが難しい。しかし、一旦矢を放てば、高い所まで届いて深く突き刺さる。駿馬は乗りこなすのが難しい。だが、一旦乗りこなせば、重い荷物を載せて遠くまで駆けていく。すぐれた人材は使いこなすのが難しい。しかし、一旦使いこなせば、君主を導いて輝かしい栄光をもたらす。」
- 意味: 才能や資質を活かすことは難しいが、一度活用できれば大きな成果をもたらす。人々やリーダーにも同様の原則が適用される。
- 背景: この言葉は、才能の発揮とリーダーシップの重要性を示しています。
- 「みなが相愛し、互いに相利する。自分のことのように相手を考えよ。」
- 意味: 他者との協力と相互利益が大切。他人を自分と同じように思いやるべき。
- 背景: この言葉は、博愛主義と共感の重要性を強調しています。
- 「道義を行うのは名誉を得るためではない。人として当然のことである。」
- 意味: 道徳的な行動は名誉を追求するためだけでなく、人として当然のことであるべき。
- 背景: この言葉は、正しい行動の重要性を強調しています。
- 「不足している者からさらにものをとり、その分を有り余る者に重ねるようなやりかたをすれば国は亡びる。」
- 意味: この言葉は、社会的な公正と平等の観点から重要です。不足している人々からさらにものを奪い、富裕な人々に与えることは、社会的な不平等を助長し、国を弱体化させる結果をもたらします。公正な分配と調和が重要です。
- 背景: 墨子は「兼愛交利」という倫理観を持ち、他者との協力と相互利益を強調しました。この名言は、社会的な不公正を警告し、公正な統治と人々の平等な権利を促進するための指針となっています。
- 「源が濁ればその流れは清くならない。行いの根本に信義がなければ必ず亡びる。」
- 意味: 行動や組織の基盤が正しくなければ、望む結果を得ることはできない。信義と正直さが重要。
- 背景: この言葉は、個人や社会の基盤が健全でなければ成功できないことを示しています。
- 「乱はそれが起こる理由の根本を知ってはじめてよく治めることができる。」
- 意味: 問題や混乱が発生した場合、その原因を理解することで適切に対処できる。原因を知ることが重要。
- 背景: この言葉は、リーダーシップや政治的な視点から、問題解決の重要性を強調しています。
- 「役人には賢才を高位につけるのがよいが、同じ人間が永久に貴い位置にあるのはよくない。民は努力する人間が栄えるべきで、同じ人間がいつまでも賤しい地位にあるのはよくない。」
- 意味: 賢明な人材を適切な地位に配置することは重要だが、同じ人物が永遠に高位に留まることは避けるべき。努力する者が報われるべき。
- 背景: この言葉は、公正な社会秩序と人材の適切な活用を強調しています。
荀子(じゅんし)
中国戦国時代末の思想家・儒学者であり、彼の名言は深い洞察と哲学的な視点を持っています。
- 「自分ひとりの時間に何をしているか、自分だけが知っている。その一人のときにどんな思いを持っているか、それがその人の運命を決めていく。」
- この格言は、個人の行動や思考がその人の運命に影響を与えることを示しています。私たちは一人ひとりが自分の選択と思考に責任を持ち、それが未来を形作るという意味です。
- 「道に従いて君に從わず、義に従いて父に従わざるは、人の大行なり。」
- 正しい道徳的な行動を取ることが重要であり、親や上司に従うことよりも、正義や義務に従うことが人々の行動を大きくすると述べています。
- 「青は藍より出でて藍より青し。」
- 弟子が師匠を超えることがあるという意味です。青い藍染めの布は、藍の葉よりも濃い青色になることから、人は学び続けて成長することができると教えています。
- 「迷う者は路を問はず、溺るる者は遂を問はず、亡人は獨を好む。」
- 迷ったり困難に直面したりする人は助けを求めるべきであり、溺れている人は自分で助けを求めるべきであると述べています。また、亡くなった人は孤独を好むことがあるとも言われています。
- 「古(いにしえ)は刑罪に過ぎず、爵徳に踰(こ)えず、故に其の父を殺して其の子を臣とし、其の兄を殺して其の弟を臣とす。」
- 古代の刑罰や爵位は重要ではなく、人々は道徳的な行動を取ることが大切であると述べています。親を殺して子を臣下にすることや、兄を殺して弟を臣下にすることは、正しくない行為であると示しています。
- 「蓬(ヨモギ)、麻中(マチュウ)に生ずれば、扶(タス)けざるも直(ナオ)し。」
- 蓬や麻は荒れ地に生える植物であり、環境に適応して生きることができるという意味です。人々も困難な状況に適応し、直面する問題を解決する能力を持つべきだと教えています。
- 「およそ人の患(わずらい)は、一曲に蔽われて大理に闇(くら)きに在り。」
- 人々は一時的な困難や苦しみに囚われている間に、大局を見失いがちであることを指摘しています。問題に直面したときに冷静さを保ち、全体像を見ることの重要性を説いています。
- 「雩(う)して雨ふるは、何ぞや。曰く、何も無きなり。猶お雩せずして雨ふるがごときなり。」
- この格言は、雨乞いの儀式(雩)を行っても雨が降るかどうかは不確かであり、自然現象は人間の意志とは無関係に起こるという考えを示しています。つまり、人間の力は自然の法則には及ばないという意味です。
- 「教え、之をして然(シカ)らしむるなり。」
- 教育の力を強調しており、適切な教育を受けることで、人は良い方向に導かれるという考えを表しています。教育は人を形成し、その行動や性格を形作る重要な要素であると述べています。
- 「庶人なる者は水なり、水は則ち舟を載せ、水は則ち舟を覆す。」
- この格言は、民衆の力を水に例えています。水は舟を支えることも、舟を覆すこともできるということから、民衆もまた、国を支える力を持つと同時に、国を揺るがす力も持っているという意味です。
韓非子(かんぴし)(紀元前280年? - 紀元前233年)は、中国戦国時代の法家思想家であり、政治家でもありました。彼の名言は、厳格な法治主義と政治哲学の精神を反映しています。
- 「聖人は微を見て以て萌を知り、端を見て末を知る。」
- この言葉は、聖人(賢人)は微細な変化や兆しを見て、将来の展開を予測できるという意味です。洞察力と視野の広さが重要であることを示しています。
- 「人を恃むは自ら恃むに如かず。」
- 他人に頼ることは、自己信頼を持つことと同じくらい重要です。自己依存と自己成長のバランスを保つことを教えています。
- 「聖人の治は民に蔵して府庫(ふこ)に蔵せず。」
- 聖人の統治は、民衆の利益を最優先に考えるべきであり、私利私欲を追求しないことを示しています。
- 「知らずして言うは不智。知りて言わざるは不忠。」
- 知識のないままで言葉を発することは愚かさを示し、知っているのに黙っていることは不誠実であると教えています。
- 「本当に優れた人物は、物事のわずかな変化や違和感を見逃さない。」
- 細部に注意を払い、洞察力を持つことが成功への鍵であることを強調しています。
- 「志の難きは、人に勝つに在らずして、自らに勝つに在り。」
- 他人に対する競争よりも、自己克服と向き合うことが重要であると述べています。
- 「遠水は近火を救わず。」
- 問題が遠くにあるときには早めに対処するべきであることを示しています。
- 「人主の患は、人を信ずるにあり。人を信ずれば則ち人に制せらる。」
- 君主は臣下を信用することで、臣下に影響を与えることができると述べています。
- 「事の理によるときは、労せずして成る。」
- 適切な方法を選ぶことで、効率的に目標を達成できることを示しています。
- 「人を欺いて言葉巧みに生きる事は、不器用でも誠実に生きる事には敵わない。」
- 誠実さと正直さが重要であり、巧妙な詐欺よりも真実を大切にするべきだと教えています。
管子(かんし)
中国の古典的な著作であり、戦国時代から漢代にかけて書かれたとされています。以下に、管子の名言を説明と共に10個ご紹介します。
- 「人臣(じんしん)たる者は、力を君に尽くさずんば、則(すなわ)ち親信(しんしん)せられず。 親信せられずんば、則ち言(げん)聴かれず」
- この言葉は、臣下たる者が主君に全力を尽くさなければ信頼されないことを示しています。信頼を得るためには、忠誠心と行動が必要です。
- 「倉廩(そうりん)実(み)つれば則(すなわ)ち礼節を知り、衣食足れば則ち栄辱(えいじょく)を知る」
- 生活が安定していると、礼節を守ることができるようになり、豊かになると栄誉と恥辱の意味を理解できると言っています。
- 「一年の計は穀(こく)を樹(う)うるに如(し)くはなく、十年の計は木を樹うるに如くはなく、終身の計は人を樹うるに如くはなし」
- 短期的な計画は穀物を植えることに例えられ、中期的な計画は木を植えることに例えられ、長期的な計画は人材を育てることに尽きると述べています。
- 「寧(むし)ろ君子に過(あやま)つも、小人に失するなかれ。 君子に過つは、その怨(うら)みたるや浅く、小人に失するは、その禍(わざわい)たるや深し」
- 君子に対する誤りは浅く、小人に対する誤りは深刻であるという教訓です。小さな過ちを君子に犯す方が、小人に大きな失敗をするよりはましです。
- 「凡(およ)そ国の亡ぶるや、その長ずるものを以てなり。 人の自ら失うや、その長ずる所のものを以てなり」
- 国が滅びる原因は、その指導者の長所があだとなることであり、人々が自分自身を滅ぼす原因も、その長所があだとなることです。
- 「人の心を知る者は、人の心を治める者である」
- この言葉は、指導者や支配者は人々の心を理解し、適切に扱うことが重要であると述べています。人々の心を知ることで、効果的な指導ができるとされています。
- 「人の言葉を知る者は、人の行いを知る者である」
- 言葉は人々の考えや意図を表すものであり、人々の行動を理解するための手がかりとなります。言葉を注意深く聞くことで、人々の本当の姿を知ることができると言っています。
- 「人の欲望を知る者は、人の弱点を知る者である」
- 人々の欲望や欠点を理解することは、彼らを操るための重要なスキルです。人々が何を求めているかを知ることで、効果的な対応ができるとされています。
- 「人の得意を知る者は、人の利益を知る者である」
- 人々の得意なことや特技を理解することで、彼らの能力を最大限に活用できるようになります。人々の利益を考える際には、彼らの得意分野を重視するべきだと言っています。
- 「人の恐れを知る者は、人の力を知る者である」
- 人々が恐れるものや不安を理解することで、彼らの弱点や制約を把握できます。人々の力を最大限に引き出すためには、彼らの恐れを克服するサポートが必要です。
周敦頤(しゅうとんい)
北宋時代の儒学者で、彼の思想や言葉は今でも多くの人々に影響を与えています。以下に彼の有名な格言をいくつか紹介し、それぞれに簡単な説明を加えます。
- 凡そ花の色の嬌媚なる者は、多く甚だしくは香しからず。
- 色鮮やかで美しい花ほど、香りが弱いことが多いという意味です。外見の美しさと内面の質は必ずしも一致しないという教訓を含んでいます。
- 瓣の千層なる者は、多く実を結ばず。
- 花びらが多く重なっている花は、実をつけにくいという意味です。表面的な華やかさがあっても、実のある成果を出すことは難しいと教えています。
- 甚だしきかな全才の難きや。
- すべての才能を兼ね備えることの難しさを表しています。万能であることは稀で、それぞれの人が得意とする分野があることを示唆しています。
- 兼之者、其惟蓮乎。
- これらすべてを兼ね備えるのは蓮の花だけであると述べています。蓮は泥の中から生まれながらも清らかで、美しさと香りを兼ね備えています。
- 予は独り蓮の汚泥より出でて染まらず、清漣に濯われて妖ならず。
- 自分は蓮の花のように、汚れた環境にいても汚れず、清らかな水に洗われても妖艶にならないと述べています。どんな環境にあっても自分の品格を保つことの大切さを説いています。
- 中は通じ外は直く、蔓あらず枝あらず。
- 蓮の茎は中が空洞で外側はまっすぐに伸びており、蔓や枝がないことから、複雑な心を持たずにシンプルで真っ直ぐな心を持つべきだと教えています。
- 香り遠くして益清く、亭亭として浄らかに立ち。
- 蓮の香りは遠くまで届き、ますます清らかで、高くそびえ立つ姿が美しいと述べています。遠くからでもその美しさと清らかさが感じられることから、人間も内面の美しさを大切にすべきだと説いています。
- 遠観すべくして褻翫すべからざるを愛す。
- 蓮は遠くから見ることはできても、手に取って弄ぶことはできないと述べています。尊敬すべきものは遠くから敬うべきであり、軽々しく扱うべきではないという意味です。
- 光風霽月(こうふうせいげつ)。
- 心が澄んで何のわだかまりもなく、爽快であることのたとえです。周敦頤の人柄を賞賛された言葉で、彼の清らかで明るい性格を表しています。
- 愛蓮説
- 「愛蓮説」は周敦頤の文章で、蓮の花を愛する理由を述べています。蓮は清らかで美しく、君子の象徴とされています。この文章は漢文の教材としても知られています。
張載(ちょうさい)
中国北宋時代の儒学者であり、理学の創始者の一人です。彼の格言は、人間と自然、そして宇宙の関係性について深い洞察を与えます。
- 「為天地立心」 いてんちりっしん- 天地のために心を立てること。これは、人間が宇宙と調和して生きるべきだという考えを表しています。
- 「為生民立道」 いせいみんりつどう- 人々のために道を立てること。社会のために正しい道を築き、人々が従うべき道を示す責任を意味します。
- 「為去聖繼絕學」 きょせいのためぜつがくをつぐ- 過去の聖人の学問を継ぐこと。古の知恵を学び、それを現代に活かすことの重要性を強調しています。
- 「為萬世開太平」まんせいのためにたいへいをひらく - 万世のために太平を開くこと。永続的な平和を目指し、後世に貢献することを目標としています。
- 「民吾同胞」みんごどうほう - 人々は我が同胞である。すべての人間は兄弟姉妹のように互いに助け合うべきだという思想です。
- 「物吾與也」ものわれともなり - 物は我が与えるものである。自然界のものは人間に与えられたものであり、それを大切にしなければならないという意味です。
- 「楽しめばすなわち生ず」 - 楽しむことが生命を生む。学問や仕事において楽しみを見出すことが、生き生きとした人生を送る秘訣であると説いています。
- 「学、楽しむに至れば、すなわち自ら休まず、故に進むなり」 - 学びを楽しむことができれば、自然と努力が続き、進歩することができるという意味です。
- 「生はなお進のごとし」 - 生命は常に前進するものである。常に成長し、進化し続けることが自然の摂理であると述べています。
- 「人間は言うことが無くなると、必ず悪口を言う」 - 何も言うことがなくなった時、人は悪口を言いがちである。言葉の使い方に注意し、無益な批判を避けるべきだと教えています。
これらの格言が、あなたの日常に少しでも良い影響を与えることを願っています。